「ハムレットへの音楽」・・・、
みなさんが共通して感じるのは「暗〜い曲ね」、でしょう。
華やかに終わらないメイン曲ですから、それなりの度胸がないとショボい幕切れになってしまいますね。
原作の戯曲を多少でも知ってもらえれば少しは役に立つかな、ということであらすじなんぞを纏めてみました。
題して、10分で分かるハムレット。
TVドラマ風にタイトルつけるなら、
「デンマーク、古城の連続殺人 〜狂気と復讐に翻弄される北欧の金髪美女〜」
ってなところでしょうか。
まず、登場人物を紹介しましょう。
亡霊→ハムレットの父の亡霊
クローディアス→デンマーク国王、ハムレットの叔父
ガートルード→王妃、ハムレットの母であり、父の仇の妻
ハムレット→先王の息子
ポローニアス→内大臣、クローディアスの腹心
レアティーズ→ポローニアスの息子
オフィーリア→ポローニアスの娘、ハムレットの恋人
ホレイシオ→ハムレットの友人
フォーティンブラス→ノルウェー王子
他にも登場人物はいるのですが、曲の展開とは関係ないので割愛しています。
■ 1楽章 プロローグ エルシノア城とクローディアス王の宮中
(第1幕、第1,2場)
前半部分の陰湿な曲は、ハムレットの友人ホレイシオがお城の亡霊に出会うシーンです。
この時点で亡霊の正体は何者なのか分かりませんが、
ホレイシオは亡霊の件をハムレットに話す決心をします。
こうして、狂気と復讐の物語は始まるのです。
一転して、後半部分は華やかな城中のシーンです。
クローディアスの戴冠式の場面ですが、実は原作では大して意味の無い場面なんですね。
リードも暗い曲ばかりじゃ売れない、とでも思ったのでしょうか・・・。
亡霊の正体は先代の王、すなわちハムレットの父でした。
そしてハムレットに「自分はクローディアスに毒を盛られて殺された」と語ります。
父親を殺した叔父は、母親の新しい男・・・。
ハムレットは苦悩しながらも父の仇を取るべく、クローディアスを殺す決心をします。
■ 2楽章 ハムレットとオフィーリア(第3幕 第1場)
ハムレットが恋人オフィーリアと出会うシーンです。
ハムレットは復讐を決心して以来、狂気を装います。
忠臣蔵の大石内蔵助も討ち入りを悟られないために一力茶屋で遊び呆けますけど、
洋の東西を問わず復讐にカムフラージュは付き物のようです。
オフィーリアの前にハムレットは現れます。
有名な台詞・・・"To be or not to be, that is the question."とブツブツ独り言を言いながら。(怖っ)
そしてオフィーリアに、何度も「尼寺へ行け」と言い、最後にはこんなことを言い出します。
「お前を愛してはいなかった」
「結婚するなら馬鹿と結婚しろ」
愛するハムレットにこんな事を言われたオフィーリアは酷く傷つき悲しみます。(当たり前だ)
■ 3楽章 俳優たちの入場(第2幕 第2場)
2楽章と3楽章は話の順番が逆になるのですね。
復讐を決意したものの、動機が「亡霊にそそのかされた」だけでは流石にハムレットも気が引けたのでしょうか。
クローディアスが父を殺したという証拠が欲しくなります。
そんなハムレットの元へ旅回りの劇団一座がやってきます。
ハムレットは座長に城中で芝居を演じてくれるように依頼します。
物語は、「王様が毒を盛られて死んでしまう」というものです。
もし、クローディアスがこの芝居を見てうろたえたりすれば動かぬ証拠!、というわけですか。
■ 4楽章 ハムレットの死(第5幕 第2場)
話は一気に最終章へ飛びます。
いよいよ、旅回り劇団の芝居が始まります。
ハムレットはとても上機嫌で、オフィーリアをからかったりしています。
芝居を観たクローディアスは怒り出し、途中で帰ってしまいました。(なんて単純な)
さて、クローディアスの腹心でポローニアスという大臣がいます。
ポローニアスの娘がオフィーリア。
レアティーズという息子もそのうち登場するので覚えておいて下さいね。
ハムレットは母であり王妃のガートルードの元へ行き、父の死後すぐにに再婚(しかも旦那の弟よ)したことを詰ります。
実は、その影でポローニアスは聞き耳を立てていたのですね。
ハムレットは物陰に隠れていた彼をクローディアスと勘違いして、いきなり殺してしまいます。
恋人に父親を殺されてしまったオフィーリアは狂ってしまい、川に身を投げてしまいました。
哀れなオフィーリア・・・。
ハムレットの復習を知ったクローディアス。
このままでは、自分はハムレットに殺されてしまう。その前に彼を葬らなければ!
クローディアスはポローニアスの息子、レアティーズにハムレットとの決闘を持ち出します。
「お前の父親と妹を殺めたハムレットを討つのだ!」ってなところでしょうか。
レアティーズは決闘で用いる剣の先に毒を塗って準備します。
クローディアスは決闘にハムレットが勝ってしまった場合を考え、祝杯のワインに毒を入れておきます。
「いや〜ハムレット君、アンタ強いねー、まぁまぁ一杯飲みたまえ」とか言うつもりだったんでしょうか?
ここでハムレットが「では遠慮なくいただきまーす」、イッキイッキ!
・・・なんて考えが甘すぎない?
決闘が始まりレアティーズの剣がハムレットを切りつけます。
ハムレット危うし!
と、その時予想外の悲劇が発生します。
王妃ガートルードが倒れてしまいました。
なんと彼女は毒を盛られたワインをうっかり飲んでしまったのです。
て言うか、そんな危ないワインはちゃんと管理しとけよ・・・。
事の成り行きに動揺したのか、レアティーズが陰謀の全容を打ち明けてしまいます。
(こいつバカ?)
ハムレットは逆上し、まずレアティーズを刺し殺します。
次にクローディアスを斬りつけ、更に毒入りワインを飲ませて息の根を止めるのです。
復讐成功!・・・しかしハムレットもレアティーズの剣の毒が回ってしまい、息も絶え絶えです。
前置きが長くなりましたが、ここから曲のシーンが始まるのですね。
薄れゆく意識の中で、ハムレットはホレイシオに国の行く末をこう託します。
フォーティンブラス(ノルウェー王子)を次の王に・・・。
ハムレットの臨終と時を同じくして件のフォーティンブラスが軍隊を従えて登場です。
そう、2時間ドラマでもよくありますね。
探偵が犯人見つけて追い詰める→犯人自白、その後自ら命を絶つ→パトカーと刑事たち登場。(おせーよ)
夥しい数の死体にフォーティンブラスは驚きますが、ホレイシオから事の経緯を聞き、
「遺体を運ぶ時は軍楽を奏し、礼砲を轟かせて弔え」と命じます。
おしまい。
実は私はハムレットの英語原作を読んだ事がありません。(英語苦手だし)
学生の頃に訳文を読んだのですが、曖昧な記憶を元に文献を引用しつつまとめました。
ですから原作と異なる場面もあるかも知れません。多少、私の主観も入っていますし。
2楽章、ハムレットがオフィーリアに「尼寺に行け」というシーン。
当時の尼寺では売春が行われていた、なんていうウワサもあります。
恋人から「お前フーゾクで金稼いでこいよ」なんて言われりゃ誰だって傷つきますよねぇ。
そのオフィーリアの死因については、自殺説・事故死説の両方あると言われています。
キリスト教で自殺は禁止されていますから、「半狂乱で川辺を歩いているうちに足を滑らせた」という説も有力です。
これは宗教というか死生観の違いというのか、自殺説の方がしっくりくるんですけどね。
レアティーズの憎しみの濃さにも影響されると思っています。
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